の冬もいい!映画…『東京ゴッドファーザーズ』


都会の冬は、寒さは穏やかだけど精神的にさむい。寒いうえにヘコんでて心細いときでも、幸せそうな人々と、華やかな街の風景を見せ付けられるからね。今回の作品も、クリスマスの日、白い雪に包まれた都会“東京”のお話。主人公である3人組のホームレスたちは、それぞれいろんな事情を抱えてて、口喧嘩したり、悪態ついたりしながらも、お互いを必要としてるように感じられて微笑ましい。この3人が、拾った赤ん坊を親に届けるために駆け回るんだけど、自分と重ね合わせてるんだよね。ひげ男ギンは、別れたままの自分の子供を、オカマのハナは自分の境遇を、家出少女のミユキは、飛び出してきた家の父を思ってる。それと同時に、3人の過去や、偽りが明かされていくのと、赤ん坊の親の事情や正体もだんだんわかってくる所が絶妙で目が離せない。偶然が積み重なった幸運によって、物語が一気に収束するラストは、希望のみが存在する。生きてりゃいいことあるよ!って感じ。