の旅立つアナタへ…『チキン・ハート』


卒業っていろいろ種類があるけど、大学とかの卒業は結構不安があると思うんだよね。何かをやりたいんだけど、始められない。職場に馴染めるかどうかも心配だ。けど、言い訳できる歳じゃないし…って思いつつ日々を過ごしたりね。この作品にもそんな感じで毎日過ごしてる3人が出てくるんだよ。リングで倒されてから相手を殴り返すことができなくなってるボクサー・岩野は何事にも及び腰。兄貴が仕事の誘いに来ても「正社員とかは逃げられないからヤダ」って断っちゃう。元教師で今は叔父夫婦の帽子屋(寂れた商店街にありそうなやつ)の手伝いをしてる丸さんは「まいったなぁー」が口癖。占いばっかり気にしてる。中年のフリーター・サダさんは超いい加減。でも、たまに真実を告げたりもする。世間的には超ダメな3人が、ビビりながらもなんとか自分の道を探してるの観てると、迷ってるのは自分だけじゃないんだなって妙に納得。誰でも、怖いし、不安だし、ダルい。大事なのはそっから動こうとする気持ちだってことだと思ったんだよね。