のビバ田舎映画…『船を降りたら彼女の島』


“田舎”というと、単純に考えれば人口の少ない自然に囲まれた土地だよね。だけど自分の生まれ故郷を思い浮かべる人も多いと思う。例え都会の出身だったとしても、うっかりすると「ウチの田舎では…」とか言ってしまいそうな、郷愁がこもった言葉なんじゃないかな。自分のアイデンティティが確立された場所だから、転機とか困難に直面して不安なときには戻って行く場所でもあるワケだ。この作品の主人公も結婚という人生のイベントを前に、報告を兼ねて田舎に帰る。東京ではハキハキ言えるような感じだったんだけど、いざ父親に会ってみるとなかなか言い出せない。父親も、2年ぶりに突然帰ってきた娘に何かあったんじゃないかと、心中穏やかじゃない。でも、島の穏やかな自然の中でゆっくり時間を過ごすうちに、心が解きほぐされていく。そのゆったりした感じに超絶マッチした、押尾コータローのギターがたまらなく心地いいんだよね。何かに迷ったら、一度立ち止まってみる必要があるんだなぁって思ったよ。