のサバイバル映画…『夜を賭けて』


サバイバルっていうと、無人島で自給自足したり、周囲を敵に取り囲まれたり、化け物の巣から脱出したりする映像を思い浮かべるよね。けど、こういうのって非日常、もしくは非現実なワケでさ。この作品の主人公たちは、もっと日常的で生活臭漂う戦いをしてる。今日、メシと酒にありつけるかどうかっていう、単純にして苦しい戦いをね。物語の舞台は1958年、戦後の焼後が残る大阪。そこには立入禁止の兵器工場跡から、鉄屑を運び出して売り払うタフな連中…「アパッチ」がいた。生きるために鉄クズを盗み、売っ払った金で飲み騒ぐ。そんでもって、すぐ喧嘩をおっぱじめる。どうしようもない生活を送ってるんだけど、そこには生きるパワーがあって、ちょっと羨ましくも思える。彼らは時代と共に消え去る運命だったんだけど、現代人はそれと引き換えに、生活自体がサバイバルな時代を乗り越えていく力を失っちゃったんじゃないかな。やっぱ、人間ギラギラしてなくちゃダメってことかもね。