の凹んだ！映画…『鬼畜』

心霊映画やホラー映画なんかが溢れている世の中ですが、生きている人間以上に恐ろしいものはないと、つくづく思う今日この頃。霊とかの存在はあやふやだし、実際に出会ったら怖いという感情しかないと思うんだよね。けど、近くに暮らして、同じように笑い、泣いている人間が突然見せる狂気というのは日常の延長だけに怖さがハンパないし、ヘコむ。そんなワケで選んだのが今回の作品。原作は松本清張。緒形拳と岩下志麻主演で一度映画化されてるんだけど、本作はビートたけし、黒木瞳がその役。景気が良いときに愛人と作った子供を、不景気になったときに引き取らなくちゃいけなくなった無責任な夫。その行動と裏切りを憎みながら、それでも一緒に暮らす妻。一人目の子供を殺した夜に、久しぶりに夜の生活を燃えあがらせるとこなんかは、鬼畜の鬼畜たるゆえんとも言えるし、人間的とも言えるかもしれない。どっちにしても生々しい。衝撃的なラストは観る人によって、どう受けとるか変わってくると思うな。ぜひ！