のこの職業につきたい!…『赤ひげ』


そう、お医者さんですよ。同名小説を黒澤明監督が映画化し、原作者・山本周五郎に「原作よりイイ」と言わせたという名作。超カンタンに言えば、加山雄三演じる新米インテリ医師の奮闘記。あ、でも僕が憧れちゃったのは、この新米医師じゃなくて、三船敏郎演じる養生所の所長の方。新米医師はこの養生所に勤めるのがイヤなのね。「ちゃんと学問を修めてきたのに、こんな町医者で働けるかっ」って思ってんの。で、所長がイロイロと導くワケ。口じゃなくて背中で。…あ、よくある話? でもね、よくある話だからこそ、観客を納得させるには“質”が必要でしょ? その点でこの作品は満点。まあ観てみ。安い感動は受け付けない、命に直面する職業をまっとうする人の凄みが染みるよ。