の日本人でよかった!映画…『雨月物語』


僕は日本が大好き。それは“機微”にすごく敏感だと思うから。“物の哀れ”を知るってのは、日本人独特なんじゃないかなー。こんなに洗練された美学をもつ国に生まれたこと、もっと誇っていいと思う。って、僕ごときが改めて言うのもアレけど。で、今回紹介するのがコレ、『雨月物語』ね。監督は溝口健二。黒澤・小津と並んで賞される日本三大巨匠のひとりだけど、映像面では溝口が突出していると思う。特にこの日本の美学という面において。その溝口作品の中でも最も美しいとされるのが本作で、例えばジャン=リュック・ゴダールは、「あまりの美しさに観始めて5分で涙が止まらなくなった」と言った。そしてベルナルド・ベルトルッチは、『ラスト・エンペラー』のラスト・シーンで本作にオマージュを捧げた…etc.その凄みを証明するエピソードにはことかかない。品があってかつ艶かしく、そりゃもう壮絶ですらある。映像がこんなに雄弁であるということ、絶対知っておいた方がいいよ。