の1人で観るのが怖〜い映画…『徳川女刑罰史』


オバケと人、どっちが恐い派? 僕はねー、ずっとオバケだと思ってた。昔、この映画を観るまでは。コチラ、「網走番外地」とかで知られる石井輝男が切り開いた“異常性愛路線”映画の中の1本。タイトル通り、江戸時代の拷問手管が女のヌードとともに描かれるっちゅう、いわゆる“エログロ”ってヤツなんだけど。股裂き、火あぶり、切断、磔水etc.そりゃさまざまな苦悶があるワケ。ま、それだけでも恐いんだけど、ホントに恐いのは拷問する人・される人の顔。も、スゴイんだってば。鬼も悪魔もかなわない顔するから。その変貌ぶりは、魑魅魍魎の変幻出没よりよっぽどコワイって、いやマジで。それもこれも、石井監督の演出力のなせるワザ。ちゅうワケで、恐いってコト以外にもイロイロ優れたトコロ満載の映画なんだけど、サイコに通じる“人の恐さ”をビジュアルとして見せてくれるという意味においても傑作だと思うよ、コレ。