日本人でよかった!と思った映画

やけに英語がカッコ良く見えてしまうなど、欧米コンプレックスが強いと言われているニッポン人。だけど、せっかくだから日本ならではの良さも再認識したい!ってことで、今週は「日本人でよかった!と思った映画」をリコメンド!

今週のお題「日本人でよかった!と思った映画」

の日本人でよかった!映画…『シティ・オブ・ゴッド』


色々とありますね、その瞬間。例えばF1で日本製のマシンや日本人ドライバーが活躍している時、海外旅行から帰ってきてお茶漬けを食べる瞬間、贔屓の野球チームを球場で応援する時(MLBは静かですから)、古寺を見て回る時、などなど。様々な時どきでそういった気持ちになると言う事は、やはりこの国が好きなんでしょうね。ときに、映画で最近ソレを感じたのが『シティ・オブ・ゴッド』でした。本当はマユゲみたく文化的側面からセレクトしたかったのですが、ここは敢えて自身の心理的側面から。小学生が普通にギャングとして銃を持ち、抗争するギャングに属する同じ年齢ほどの子供を撃ったり、それはそれは日本に住んでいる我々からするとあまりの衝撃でした。これを見ながら「果たしてあの環境で生まれたなら・・・」という気持ちを強く感じた覚えがあります。彼らは生きる為の術としてソレをやっているのだけれど、この平和な日本社会で生きている者としてはその飄々とやってのけるサマに戦きました。

の日本人でよかった!映画…『デンジャラス・ビューティー』


日本のよさは数あれど、一番スゴイのはやっぱ食文化!というのも、つい先日『デンジャラス・ビューティー』で、ヒロインが特大アイスをガツガツ食らい、インスタントピザにかぶりつく姿を見て、アメリカでホームステイした時の苦い体験を思い出したの。手をかけた食事はほとんど出てこず、出来合いのピザや、パンケーキ、ステーキetc・・・単純で合理的、大味な食べ物ばかりだったのね。対して日本は、食のバリエーション、繊細さにおいてピカイチ!料亭なんかでは、もはや「芸術」と呼べる域に達した繊細な料理が出てくるし、家庭では肉じゃがや炊き込み御飯など、煮込んだり炊き込んだりと手間のかかったヘルシー料理が楽しめる。さらに、世界中の料理が楽しめる国は、この地球で日本以外にないらしい!確かに中華、イタリアン、フレンチを筆頭に、インド料理やタイ料理はもちろん、アフリカ料理やチベット料理、北欧料理なんてのも食べられちゃう。人間の基本は食事、あ〜こんなに食の豊かな国に生まれてよかった!!!!!!

の日本人でよかった!映画…『雨月物語』


僕は日本が大好き。それは“機微”にすごく敏感だと思うから。“物の哀れ”を知るってのは、日本人独特なんじゃないかなー。こんなに洗練された美学をもつ国に生まれたこと、もっと誇っていいと思う。って、僕ごときが改めて言うのもアレけど。で、今回紹介するのがコレ、『雨月物語』ね。監督は溝口健二。黒澤・小津と並んで賞される日本三大巨匠のひとりだけど、映像面では溝口が突出していると思う。特にこの日本の美学という面において。その溝口作品の中でも最も美しいとされるのが本作で、例えばジャン=リュック・ゴダールは、「あまりの美しさに観始めて5分で涙が止まらなくなった」と言った。そしてベルナルド・ベルトルッチは、『ラスト・エンペラー』のラスト・シーンで本作にオマージュを捧げた…etc.その凄みを証明するエピソードにはことかかない。品があってかつ艶かしく、そりゃもう壮絶ですらある。映像がこんなに雄弁であるということ、絶対知っておいた方がいいよ。

の日本人でよかった!映画…『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』


日本人で良かったーって思うことって、季節、伝統、食事や文化とかいろいろあると思う。でも、それ以外で良かったなって思った作品がコレ。“ジャパニメーション”って言葉は、もはや古さを感じるけど、アニメに関して日本はやっぱりスゴい! と思い直したから。そもそも原作となったコミックは、かれこれ15年くらい前の作品なのに全く古さを感じさせないし。別にアニメ化された『GHOST IN THE SHELL』『イノセンス』は、劇場版という規模と、押井守という特異な監督によって素晴らしい作品になってると思う。でも、連続アニメとは思えないほどのクオリティと圧倒的な情報量、それに原作や映画では語られなかった部分まで描いてるところが良いんだよね。それと、“STAND ALONE COMPLEX”っていう、新たな概念というか現象みたいなものを定義しつつ、銃撃戦、電脳戦、地道な捜査、キャラ固有のストーリーを通して、ドラマとしても充分面白いところがやっぱりスゴい。第25話のタチコマには、ホント泣けたし…。なんで泣けたか気になる人はぜひ観てみて。