のカンヌ映画祭過去受賞映画…『エレファント』
ほのぼのとした恋愛映画かと匂わせるジャケットとは大違いの内容の本作は、'99年にアメリカで発生した「コロンバイン高校銃乱射事件」を題材にした映画。同事件といえば、マイケル・ムーア監督が手がけたドキュメンタリー「ボウリング・フォー・コロンバイン」も一時話題になったわね。これと本作を観比べても面白いと思うわよ。ガス・ヴァン・サント監督作の本作は、ごく普通の日常に突然訪れた異常が淡々と映し出されていくんだけど、加害者も被害者も背景がわかるようにスポットを当てているから、リアルで本当に怖かったわ。ガス・ヴァン・サント監督の最新作「ラストデイズ」もそうだけど、延々と長回しのカメラで登場人物の後を追っていったり、役者の名前をそのまま役柄の名前として使う手法で、すっかりストーリーにのめり込んでしまったアップリケ。観終わった後は、劇中に流れていた「エリーゼのために」のピアノ音と青い空の映像が妙に心に残ったわ。
のカンヌ映画祭過去受賞映画…『ピアニスト』
カンヌ国際映画祭で、主演男優賞、主演女優賞、そしてグランプリの3冠に輝いた衝撃作「ピアニスト」。原作者エルフリーデ・イェリネクの自伝的小説を映画化するにあたり、監督は異常な性癖を持つエリカ役に、イザベル・ユペールを熱望。見事それを実現して作られた映画だけに、ユペールの鬼気迫る演技に圧倒されること間違いなし。ユペール演じたエリカの異常性が激しくなればなるほど、ブノワ・マジメルが演じたワルター青年の爽やかさが際立つ。そのワルターがだんだんけがれていくさまを、容赦なく取り上げたミヒャエル・ハネケ監督は、さすがです。柳楽優弥が受賞するまで、史上最年少の主演男優賞受賞者と言われたブノワ・マジメルの出世作、勇気のある人はチェックしてみて!
のカンヌ映画祭過去受賞映画…『カンバセーション…盗聴…』
この作品は'74年に第27回最高賞(グランプリ)を受賞した傑作サスペンス。出演はジーン・ハックマン、ジョン・カザール、ハリソン・フォード(!)、ロバート・デュヴァルとけっこう豪華な顔ぶれ。監督はフランシス・フォード・コッポラで、彼とピーター・ボグダノビッチ、ウィリアム・フリードキンの3人が設立したディレクターズ・カンパニーの作品でもあるんだよね。ジーン・ハックマン演じるプロの盗聴屋ハリーは、アメリカ西海岸で1番といわれる腕っこき。若いカップルの盗聴を依頼され、「好奇心を捨てる」をモットーに完璧な仕事をこなした彼だったが、ふとしたことからテープに重大な秘密が隠されていることを知る。はたしてその真実は…。他人のプライバシーを暴くことを生業にしてきた男が、その手段で逆に追い詰められ、孤独に陥っていく姿を見事に描いた名作だね。ちなみに「エネミー・オブ・アメリカ」のジーン・ハックマンも同じような役で出てたね。名前と元の職業の設定は違うけど、廃工場を仕事場にしてるとこなんかは、明かに製作者サイドの思惑が見えておもしろいよ。
のカンヌ映画祭過去受賞映画…『シェルブールの雨傘』
第59回カンヌ国際映画祭で初披露されることになった深作健太監督の「スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ」。すごいわね、あやや! カンヌというと芸術性の高い映画が多いイメージだけど、スケバン刑事という日本人にはお馴染み(?)の映画が上映されるなんて嬉しいことだわ。というわけで今週はカンヌ映画祭過去受賞映画の中からリコメンド! 過去受賞した作品の中でもビキニがびっくらこいたのが、カトリーヌ・ドヌーブ主演の「シェルブールの雨傘」。全編を通して台詞の代わりに歌なの! 実を言うと途中でちょっと眠くなったわ。でもカトリーヌ・ドヌーブの美しさでなんとか最後までみることができたの。やっぱり主役が美人って大事よね。悲しい恋愛を体験したいならば、見た方がいいわよ。中だるみ感は否めない映画だけどラストだけは秀逸だから☆